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ネットワークスペシャリスト LACPを使うメリット


ネットワークスペシャリスト LACPを使うメリット

目録
  • LACPとは
  • OSPFとLACP
  • アクティブモードとパッシブモード
  • LACPとは

    LACP(Link Aggregation Control Protocol)は、複数のネットワークケーブルやポートを論理的に1つの大きなリンクにまとめるためのプロトコルです。これにより、ネットワークの帯域幅を増加させたり、接続の冗長性を向上させたりすることができます。簡単に言えば、LACPは複数のネットワーク接続を束ねて、より速く、より信頼性の高い単一の接続のように扱う方法です。

    LACPの主な特徴 帯域幅の増加: 複数の物理リンクを束ねることで、データ転送速度を大幅に向上させることができます。たとえば、1Gbpsのリンク4本を束ねれば、理論上は4Gbpsの転送速度を達成できます。 冗長性と信頼性の向上: 1本のリンクが障害によりダウンしても、他のリンクがトラフィックを引き継ぎます。これにより、ネットワークのダウンタイムを減らし、信頼性を高めることができます。 負荷分散: LACPは、トラフィックを複数のリンクに均等に分散させることができます。これにより、1本のリンクにトラフィックが集中することを防ぎ、全体のネットワークパフォーマンスを最適化します。

    LACPの働き
    LACPを使用するには、ネットワークの両端(通常はスイッチやサーバー)でLACPを有効にする必要があります。LACPが有効になると、両端のデバイスは特殊なLACPパケットを互いに送信し、リンクの束ね合わせを自動的に設定します。このプロセスでは、どのリンクがアグリゲーションに参加できるか、どのようにトラフィックを分散させるかなどが決定されます。



    わかりやすい例
    LACPの概念をもっと身近なものに例えるならば、複数の水道管を束ねて1つの大きな管として使うようなものです。各水道管(ネットワークリンク)を通じて少量の水(データ)を送ることができますが、これらを束ねることで、より多くの水を一度に送ることができるようになります。もし1本の水道管が壊れても、残りの管が水の流れを維持するため、水供給(データ転送)が止まることはありません。


    OSPFとLACP

    LACPを使用すると、メンバーポートのいずれかがダウンした場合に、リンクアグリゲーショングループ(LAG)内の他のポートが動作し続けることにより、トラフィックのフェイルオーバーが可能になります。その結果、OSPFなどのルーティングプロトコルが異なる経路を選択し、利用可能な最大帯域幅を活用して通信を継続できるようになります。
    ネットワークスペシャリストの試験問題として挙げられた例では、「輻輳を避ける」ことを目的としてLACPとOSPFを組み合わせて使用するシナリオが想定されていました。この文脈では、LACPはリンクの冗長性と負荷分散を提供し、OSPFは動的に最適な経路を選択することで、ネットワークの効率性と信頼性を向上させることができます。

    アクティブモードとパッシブモード

    LACP(Link Aggregation Control Protocol)におけるアクティブモードとパッシブモードは、リンクアグリゲーションの形成における装置の振る舞いを決定します。これらのモードは、LACPが使用される環境やシナリオに応じて選択されます。ここでは、これらのモードの違いとそれぞれの適用シナリオについてさらに詳しく解説します。

    アクティブモード
    アクティブモードでは、装置は積極的にLACPパケットを送信し、他の装置とのリンクアグリゲーションを形成しようと試みます。これは、装置がアグリゲーションのイニシエーターとして振る舞い、他の端点がアグリゲーションに応答することを期待するモードです。

    適用シナリオ: アクティブ-アクティブ設定: 両端の装置がアクティブモードで設定されている場合、双方が積極的にリンクアグリゲーションを形成しようと試みます。この設定は、両端が等しくアグリゲーションの形成を管理する能力を持つ場合に適しています。 自動設定環境: ネットワーク内の装置が自動的にリンクアグリゲーションを形成し、管理する必要がある場合。アクティブモードは、ダ

    パッシブモード パッシブモードの装置は、他の端末からのLACPパケットを待ち、受信した場合のみリンクアグリゲーションを形成する準備ができています。このモードでは、装置はアクティブなイニシエーターとしては振る舞わず、外部からの要求に応答することによってのみアグリゲーションを形成します。

    適用シナリオ: アクティブ-パッシブ設定: 一方の装置がアクティブモードで、もう一方がパッシブモードで設定されている場合、アクティブモードの装置がアグリゲーションの形成を主導し、パッシブモードの装置がこれに応答します。この設定は、一方の装置がアグリゲーションの形成を積極的に管理し、もう一方がそれに応答するだけで良いシナリオに適しています。 単純な環境: ネットワークが比較的単純で、特定の装置がアグリゲーションを主導する必要がない場合。パッシブモードは設定が簡単であり、必要に応じてのみアグリゲーションが形成されます。



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